富士山へ

「朝起きて窓を開けたら富士山が見える」
よその人からしたら、贅沢なこの環境にありがたみも感じず生きてきたけど、
そんな環境に寄り添ってた静岡県民なら一度は!と思わされ、ようやく登ってきました富士山に。

「そのうち、そのうち。」なんて言ってる間に時は過ぎ去るばかりなので、今年の内に行っちゃおうと急遽準備を始めることに。
とはいえ登山なんて幼稚園の裏山と高尾山くらいしか経験のないド素人、こんなでいけるのかと不安になる。
調べてみたら、準備をしっかりして時間さえかければなんとか登れそうというところまで少しずつ想像つくようになってきた。
お盆時、混むのが嫌なのと、朝日よりは夕焼け派なことと道中のシークエンスを考慮して、4つの内の3番人気の須走ルート、朝登り・夕方下りの日帰りコースに決定。日時は未定、でも8月中に行ければと。
その勢いのままに登山グッズを揃えに街へ。

「お金がかかる」ということで避けてきたアウトドアグッズだったけど、休み明けの仕事も気になるんで体調を悪くしない程度によいものを見にまとい、なるべく軽くしていこうというコンセプトで一式揃えることに。
手始めにソフトシェルという類の上着とパンツ、20リットルリュック、飲み終わったらたためる水筒的なパックなど。
コンパスに砂ガード用のショートスパッツ、日差しよけネックウォーマー、普段身につけない時計なんかも。ちょっと買っただけでなかなかかかるなぁ、なんて思いながらも最低限揃え残すところ靴のみに。
靴は捻挫しないようにとちゃんとしたものを買わないとな、と初心者向けの国産ハイカットに。

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ソフトシェルと時計(¥980)と高校の部活以来の粉ポカリと靴

買い物でぐったりしながらも、一式揃えたところで、台風が来る前、天気のいい内に行こう!とすぐ次の日に行くことを決める。
マイカー規制のあるこの時期に混雑を考えると、始発のバスに乗って登り口まで行って、人が少ない内のスタートのため自力で麓のバス停まで。ふもと着は6:30だけど3:00には登山が始まってた気分。

そんなこんなでバスに乗り、五合目到着は予定通り6:30。
お昼くらいには山頂にいたいなとスタコラ登り始める。

須走ルートは初めが森。
他のルートに比べて標高が少し低いところから始まるから木が茂ってるところを通れる。
いきなりカンカン照りのところを歩くのも辛いと思ったんで、いい選択したなというところ。
普段見ない植物も見れてルンルン気分もつかのま、思ったより急だし、舗装はされてない。段差もバラバラ。
え!?いきなりこんなにきついの?と登り始めて15分で思い知らされる。


五合目入口
はじめは森


森の終わり

スタートして1時間ほどで6合目。
もうきてる・・・。高尾山だったらもう登って降りて、フロまで入った後のような疲れっぷり。先行き不安。
でも眺めがよくてちょっと癒される。これの繰り返しかと肝に銘じて、10分休んで出発。

次の本六合目、七合目までそれぞれ1時間ほど。
森もなくなってきて霧も晴れ、気持ちいいけど日差しが強まる。暑い。
そのあとは30分刻みで山小屋がある感じ。

六合目あたり


七合目あたり

みんな休憩タイムが多くなるのか、山小屋の度に人が増えてくる感じ。
子どももいる。元気そうな子どもだけでなく、もうイヤと泣いてる子もいたり。
無理矢理連れてこられたとしたらたまらないよな。
なんて思いつつ、高みを知ってから大きくなれるなんていい経験だぜと、ちょっとうらやましく思ったり。
疲れて自分でもわけわかんなくなってるのかも。

途中から火山岩の砂利道になってきたりして、これがなかなか進まず、脚にくる。
後半楽になるのかな?なんて考えてたけど甘かったなぁ。
よく考えたら富士山の絵描くときも上の方でそりが強まるし、そりゃそうかぁ、なんて思ったり。

この日は8/12なんでお盆真っ最中なためかやっぱ混んでいて、それなりにゆっくりペースになるんだけどそれで丁度いい、初心者にはそれで。

 
八合目あたり

そんなこんなで12:30山頂着。
脚はガクガク。でももういいんだ、とインターハイ進出を決めたゴリのような思いを抱く。
人が多くてうるさいけど、騒ぎたくなる気持ちもわかる。
ちょっと器がおおきくなったのかもしれない。

神社にお参りして、お札を買って、もう疲れたから今日は実家に泊まろうと、実家の分までお札を買いまして。
賑わう様子を一通り見て山小屋でカレーを食べることに。うまい。
目の前は快晴、下は雲海。気持ちよくて裸足になって1時間ほど寝る。

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カレー

山頂のテラス

じゃあ、火口を見て帰ろうかと山小屋の裏に回ったら、ちょうど火口の反対側に遥かに高い本当の山頂が。
火口巡り(お鉢めぐり)は平坦な道ではないとそこで知る。まだ登頂しきってないの・・・。

でもって、お鉢を半周してもうちょっとというところで、剣ヶ峰手前の勾配はここまでで最大級。
完全に試されてる気までしたけど、なんとか登り切る。ようやく日本の果てに。感無量です。
結局お鉢めぐりで1時間ほどかかったんで帰りはじめは14:30。暗くなる前に下山できるのか。


雲海


剣ヶ峰への道


下山ルート

帰りは下山ルートというのがあって、登ってくる人と交錯しないようになっていてスタスタいける。
もうさっさと帰って休みたくなってきたからと小走りで。
砂走りと言って人によっては走って降りるというので、それにならってこちらも。
とはいえ昨日買った靴はやっぱり硬すぎるのか、靴擦れも進行中。ブレーキをかける度に脚が痛む。結局下山もきついようです。

ジグザグに降りてくことでスピードが出にくいというコツを掴み、サクサクと降りていく。
途中から霧がかってきたけど、なんとか雨が降る前に下山。登りは6時間ちょっとかかったのに帰りは2時間。不思議なもんです。

そんなわけでようやくの富士登山を終え、一回り大きくなって帰ってきました。あー疲れた。

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